人が倒れる時、女性と男性では表現が違います。
今回も先週に引き続いて、Tannen (1990)からの情報ですが、女性が倒れた時は英語でfaintを使い、男性だとpass outだという事実。
え、なんで?
ことばを詳細に分析していくと、faintというと、例えば中世ぐらいにコルセットで自分を締め付けた女性が、何か悪いニュースを聞いただけで「はぁ、、、」っと倒れそうになり、手の甲をおでこにあて、男性が大きな腕で受け止めるイメージ。そしてfaintは男性には使わない。
ちなみに映画見てて、「昔の女性が気を失ってるなんて映画だけでしょww」なんて思ってる人も多いかもしれませんが、コルセットギッチリしまってて、ちょっとの刺激で本当に結構倒れてたそうですよ。
一方pass outは床にバターン!と倒れる感じ。酔っ払って急に意識をなくすとか(脳挫傷に注意)。
人間はことばを操っていると思いがちだけど、ことばが人間の価値観や考え方を操ってるかもしれない、ということです。
常に人間は、ジェンダーステレオタイプを意図せず意識している、という表れですね。
参考文献:Tannen, D. (1992). You just don’t understand. Virago Press.
コルセットと女性の生き方については、2022年に聖心女子大学でも展示がありました。詳細はこちら。